コラム

零細企業の事業再生に欠かせないもの

2010/10/11


「おじちゃん、こんにちは!」
「おお、元気そうじゃねえかよ」

先日久しぶりに地元神奈川へ戻り、お世話になった方々へ手土産を持って近況報告をして来ました。
この不況下にありながらも伺った先は元気な会社・人々が多く、一安心です。

このおじちゃんは和菓子職人で、彼此50年以上和菓子を作り続けています。
学生時代に「長時間肉体労働をさせても大丈夫そうだ」という理由でスカウトして頂いて以来の御縁であり、私の尊敬する経営者・職人の一人でもあります。

さて本題ですが、このおじちゃんと暫く雑談に花を咲かせていると、私の幼馴染S君宅の店舗兼自宅が売りに出ている、という話が出てきました。
綺麗で立派な店舗・子供部屋、おじいさんがこまめに手入れしている鹿威しのある庭、幸せそうな家庭、大型犬、etc.。
S君宅は、幼少時の貧乏な私にとって理想像のような場所でした。
だからこそ、どうかいつまでも栄えていて欲しい。
自分のこれまでの経験が、友人の助けになるかも知れない。
そんな気持ちで、予定を変更しS君の店へと向かいました・・・

事業再生は非常にセンシティブな内容を扱います。
ですから、S君のお母さんとはお会い出来ましたが、再会してすぐに色々と聞く訳にも行きません。
そこで、自発的に話して下さる断片的な情報を参考にしつつ、可能性のある再生手法を少し話す程度に留めました。

それでも「そんな方法があったの?もう少し早く知っていれば良かったわ」と仰るあたり、どうやら十分な情報を得られないまま現状に至ったようです。
また、閉店直前という事もあって、もはや事業を継続する意志は喪失されていました。

今回は特定リスクを避けるため具体的な状況は出せませんが、リスケジュールや債務免除の他、会社分割をはじめとした第二会社方式、任意売却やリースバックなどにより再生できるケースは多々あります。
本件においても然りです。
業績が低迷を続けても、資金繰りに行き詰っても、大抵の場合は方法があるのです。

しかし、いくら方法があろうとも、経営者が事業への意欲を失ってしまっては「経営者≒事業」である零細企業においては事業再生が非常に困難なものとなります。
つまり、零細企業の事業再生には「何が何でも再生するぞ」という決意が欠かせないのです。



理事・中小企業診断士 大友